テレビで試合を観ている分には、東京ドームは決して「いいスタジアム」とは僕には思えない。もと外野手としての性分なのか、個人的には甲子園球場のような広い外野を持つフィールドの方が好みなので、東京ドームは両翼・センターまでの距離に比して左中間・右中間が極端に狭いのが残念でならない。(そもそも天然芝ではないことも付け加えたいのだが、ドーム球場というコンセプトのスタジマアムに対してそれを論うのはフェアではないだろう)
ところがこのスタジアム、観客にとっては意外にいいスタジアム。
スタンドの傾斜や角度、遮蔽物の少なさが快適な試合観戦を可能にしてくれる。
フィールド全体を見下ろすことができる日本のスタジアムでは数少ない3階席には、ぜひ一度足を運んでほしい。
金曜のナイターには仕事帰りのビジネスマン(僕もその一人だったが……)、野球少年の一団、「おひとりさま」のOLなど、さまざまな人たちがあふれていた。都心の立地は、都市において都市とその近郊に住まう人々を非日常へといざなう装置としてのスタジアムの役割をいかんなく発揮させる。
加えて東京から北海道に本拠地を移転したファイターズの主催試合ということもあり、東京時代からのファイターズファン、新千歳から上京した札幌のファンが、人気球団のホークス応援団に負けじと声援を送り、東京開催ならではのさまざまなファン層の入り混じった不思議な空間を演出していた。
試合は初回のダルビッシュの乱調とファイターズの度重なる拙攻が響き、ホークスがものにした。
相次ぐ中心選手の流出、昨シーズンフル稼働の疲労。
ファイターズにとっては苦難の日々が続く。
ひちょり、賢介がもっと暴れまわってくれないと……。
この日の収穫はいまひとつ一軍ではぱっとしなかった小谷野の3番に入っての2安打でしょうか。